歯科医院の選び方

対症療法

自分の考えに合った歯科医院を選ぶこと

患者さんからのご相談で、「先生が私の治療の要望を聞いてくれない!」と言った内容のご相談を受ける事があります。

その理由はとても簡単な話で患者さんが単純に「歯学的に無理や無茶を言っているから聞けない」という理由が挙げられます。

東京都内にも様々な歯科医院がありますが、それぞれの歯科医院にはその先生が考える治療方針というのがあります。
それが患者さんが思っている事と先生が思っている事と異なっているからなのです。

歯科医院の選び方を料理で例えるとわかりやすい

医療を料理に例えて怒られるかもしれませんが、5つ星のフランス料理屋さんでラーメンを希望しても無理ですよね。
「客が希望するのだからコックがラーメンを作れば問題ないでしょ!」と思う方もいるかもしれませんが、歯科医院で行なっていることは「医療」であり、「サービス業」ではありません。
もし患者さんが希望するのであれば、そのような希望を聞いてくれる所に最初から足を運んでもらう必要があります。

東京都内にも数多くの歯科医院がありますが、それぞれが専門の知識と技術を持ち、経験を積んでいます。
インプラントなどの口腔外科治療、歯周病(ペリオ)などを専門にする歯科医院、小児歯科を専門にする歯科医院、矯正を専門にする歯科医院など多岐に渡ります。

治療を受ける側の患者はあくまでも「病気や症状を持っている方」であり、それを治す側の歯科医師はライセンスを持ち、その症状を治す為の研鑽を積んでいるのです。
患者というのはあくまでも症状を持った方や病気の方であり、患者は患者なのです。
要はお客さんではないということです。

保険診療メインで延命治療が主体となっている歯科医院もあれば、当然保険診療が中心ですので比較的治療費も安価です。
きちんと治す事前提で自費治療中心の歯科医院であれば、保険診療に比べ比較的治療費は高くなりますが、口腔内の環境には良い治療や時間が長い治療をしてもらえると思います。
もちろん保険診療と自費治療のバランスが取れた歯科医院などもありますが、先生が取り入れる治療の考え方は様々ですので、患者さんが選ぶ際には「どのような治療を自分に与えるか?」というのがとても重要なのです。
先生が行う治療には、理想の治療を行えている場合や妥協している治療もあれば、本当に先生自身が目指している治療を行っている場合があるので、患者さんはそれを考えて治療を受ける歯科医院を選ぶべきです。

「他の歯科医院ではそう言ったらやってくれた」とかの話を引き合いに出しても「他は他、ウチはウチ」という話ですので、患者さんはそのような治療が希望ならそのような治療を行う歯科医院を選べば良いだけの話なのです。
歯科医院側が「どのレベルの治療を患者さんに行うか」によって決まりますので、患者さんは「どのレベルの治療を受けたいのか?」という事を元に歯科医院を選べば良いと思います。

ただし、見た目だけの「設備や院内の豪華さ」や、「実績〇〇本」、「治療費の安さ」、といった表面上の事だけに囚われないようにする事が大事だと思います。

歯科医院によって治療費が異なる

インプラント治療などで、「何で歯科医院によって治療費が違うの?」というご相談をいただきます。
結論から言うと、

「価格の安さと高い質の両方を求めるのは物理的に不可能」
です。
最近は、あまりにも患者さんが神経質になり過ぎる傾向にあります。

  • 他のほとんどの方が気にされない様な細かいところを気にされる方。
  • 変わった要望が多い。などの傾向にある方がトラブルを起こします。
  • 患者さん自ら値段の安い歯科医院を選んだのにも関わらず良い結果が得られなかった方

など様々です。

価格の決め方は上記の項にも書いてありますように、「どのレベルの治療を患者さんに行うか」によって決まります。
重度な症状であれば治療費は通常よりも掛かっても仕方がありません。
「安物買いの銭失い」とは良く言ったもので、術式的に難しい症例を必要とする方が短期間の治療と治療費の安さを求めた結果、結局治療がうまくいかず、やり直しになり、治療費の高い所で治療を受ける以上に費用がかかってしまったという事も非常に多いです。

そのほとんどの方が
「治療費の安さで即決」
「ネットだけで探した」
「ランキングや口コミを信用した」
という共通理由があります。

実際に足を運べば院内の設備や、先生の治療方針などもある程度分かると思います。
治療費には安心も含まれているという事を考えていただければと思います。

よって、決めるポイントは「値段の安い高いだけで判断しないほうが賢明」です。

どのレベルで治したいか?、本当に治したいのか?、自分に合っているのか?です。
間違った情報を時間を掛けて調べることよりも、正しい情報を知ることが大事です。
良くなる事を行わなければ健康になることはありませんからね〜。

抜歯をするのか?歯を残すのか?の選択

根管治療(歯の神経を取ってしまう治療)などで、良くあるかもしれませんが・・・

患者さんの間で、
「あそこの歯医者さん。保険診療で治療してくれて(治療費が安く済んで)、短期間で、自分の歯が残せて痛みも感じず治ったよ〜」

こんな歯医者さんが「良い先生」って思ってしまう事ありませんか?
自分の歯を残す事を「良い事」として歯の神経を取るデメリットは皆さんきちんとご存知ですか?

ダメな歯でも簡単に残せる事を考えている患者さんや、痛みが無くなるから歯の神経を取る事を安易に望む患者さんが年々増えてきているんですね〜。

これは、「抜かない、削らない、痛くない」とよくある歯科医院のホームページに書いてある間違った標語を鵜呑みにしてしまった負の結果です。

実は、根管治療は完璧治療ってものすごく難しく、マイクロスコープを使っても完璧治療は難しのです。
ラバーダムを使用しても完全に感染を防止することも不可能に近く、患者さん全員に完璧な根管治療を行うことは無理なんです。
もちろん裸眼の治療より拡大鏡を使用して治療、拡大鏡を使用して治療するよりもマイクロスコープを使用した方が治療精度は高くはなりますが。

当院の治療ではほどんどの治療に拡大鏡を使用して治療を行なっております。

拡大鏡

神経を抜いた歯はもろくなり、歯根破折などが起こる可能性も高くなり、歯根の内外に感染、炎症が起きる確率も高くなります。
患者さんには「死んだ歯を残している」ということをしっかりと覚えてもらいたいのです。

悪い歯は残すのが美学ではありません。
抜歯が悪いことでもありません。

そうならないように「削らず、神経を抜かずに歯を残すこと」なのです。

ダメな箇所だけを見るのか?口腔内全体の将来性を見るのか?というのが大事です。

そのダメな歯を1本残したことによって、数年後、数十年後の治療費が3倍以上になったということは良くある話です。

あきらかに数年後に莫大な治療費が掛かりそうな方を当院は放ってはおけません。

その場合は抜歯をする事をオススメします。

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